ボクシング女子66キロ級で準々決勝に進出したアルジェリアのイマネ・ケリフ(イマネ・ヘリフ)選手。
2回戦の相手で開始46秒で棄権したイタリアのアンジェラ・カリニ選手側から性別について、男性の可能性を指摘する“物言い”がつき、
イタリアのメローニ首相までが「試合は公平な土俵ではなかった」と言及する事態にまで発展したことで話題になっています。
性分化疾患を持つ女性として女子ボクシングに出場したイマネ・ケリフ選手について、海外の反応をご紹介していきます。
【動画】イマネ・ケリフの対戦相手が棄権!
2024年8月1日に行われたパリ五輪ボクシング女子66キロ級の2回戦。
イマネ・ケリフ選手と対戦したイタリアのアンジェラ・カリニ選手が、序盤から鼻に強打を受け、開始46秒でコーナーに戻って棄権。
アンジェラ・カリニ選手は取り乱した様子でリング上で膝をつき、泣きながらヘリフの握手を拒みました。
その時の動画がこちら↓
もう頭にきた! 凄く頭にきた!! パリ五輪「女子」ボクシング66Kg級に、生物学的 “男”(トランス女)が出場し、イタリアの女性選手が試合開始後わずか1分で試合棄権。 アンフェアすぎる。 この事実を見てトランスジェンダーのわがままを理解しろというのか。 こんな横暴を絶対に許してはならない。 pic.twitter.com/Y1Ked0WH5a
— 松丸まこと 元足立区議会議員 (@seiryukai) August 1, 2024
アンジェラ・カリニ選手は、試合後にイタリアチームのコーチ、エマヌエーレ・レンツィーニに
もう戦いたくない!
と話したといい、レンツィーニは記者団に対し「1回のパンチを受けた後、彼女は大きな痛みを感じた」と話しているとのことです。
さらに、試合後アンジェラ・カリニ選手は
今夜は負けたわけではない。分別を持って棄権しただけ
と述べたそうです。
物議を醸しているのは、性分化疾患を持つイマネ・ケリフ選手が女子ボクシングに出場していること。
イマネ・ケリフは性分化疾患(DSD)
イマネ・ケリフ選手は、男性染色体(XY)を持って生まれた性分化疾患の女性です。
性分化疾患とは、ヒトの6つの性 (表)のうち、性染色体、性腺、内性器、外性器のいずれかが非定型的な先天的体質を指します。
そのため、正確にはトランスジェンダーではありません。
国際ボクシング協会のDNA検査で、性別適格性検査不合格だったものの、国際オリンピック委員会(IOC)からはオリンピック参加を許可されていたようです。
性別的には女性であるものの、男性の染色体を持っていることで、骨格や体格、筋力は一般的な女性より優れているものがあることから、
女子ボクシングに出場することについて海外からも色々な反応があったようです。
次項でご紹介していきます!
イマネ・ケリフの海外の反応まとめ!
イマネ・ケリフ選手のSNSには、心無い誹謗中傷のコメントもある中、擁護や応援のコメントも多く寄せられていたようです。
一部ですが、ご紹介していきます。
Male competing in women’s category
女子部門に出場する男性
Italian here, I want to congratulate you!!! I’m so sorry for the awful and ignorant comments you received. Angela had a very unsportsmanlike behaviour.
私はイタリア人です。お祝い申し上げます。あなたが受けたひどく無知なコメントについて、本当に申し訳なく思います。
アンジェラの行動は、とてもスポーツマンらしくないものでした。
We’re proud of you in Tunisia too. Don’t care about the low IQ comments.
チュニジアでもあなたを誇りに思います。IQが低いコメントは気にしないでください。
You are a man go compete in your own division !
あなたは男です。自分の部門で競争してください!
translar spor musabakalarına katılmasın bir zahmet
トランスジェンダーの人はスポーツ大会に参加すべきではありません。
Good luck our strong woman , we all behind you.carry on, don’t listen to them and bring the gold to Algeria 🇩🇿
幸運を祈ります、私たちの強い女性。私たちみんながあなたを応援しています。彼らのいう事を聞かずに、アルジェリアに金メダルをもたらしてください。
性別は女性だけど、DNAには男性の部分も持ち合わせているということで、男女のくくりで分かれているスポーツ競技への参加は非常に難しい問題だと言えます。
そんな中、日本で最も多かったのは、「トランスジェンダーのカテゴリーを作るべき」ということでした。
IOCはトランスジェンダーのカテゴリーを作るべき?
イマネ・ケリフ選手のように性分化疾患を持って生まれた女性はもう1人、台湾のリン・ユーティン選手がいます。
2人は国際ボクシング協会(IBA)の性別検査に合格しなかったため、2023年女子ボクシング世界選手権への出場が認められませんでした。
しかし、先述したように国際オリンピック委員会(IOC)はパリオリンピックへの出場を許可しています。
男女どちらの枠で出場するのが正しいのか多くの議論が飛び交う中で、一番多かった意見が、
トランスジェンダーのカテゴリーを作るべき
という声でした。
ほんと、女子スポーツに無理やり割り込んでヘイト集めてるより、各スポーツにトランスジェンダーカテゴリーを新設して大きく育てていくほうがイメージ向上にもなってすごくいいと思うんだけど。そこから人気者のヒロイン/ヒーローも生まれると思うし。
— おはよ (@ohayoo2018) August 2, 2024
ぼくも軽くですが調べましたが難しい問題だと思います。
— かもねぎ@転生しても引き弱だった件 (@777du2) August 2, 2024
こういった方が出場できるカテゴリーを作るのが一番なのかもしれませんが、時間がかかりそうですし…
彼女は決してトランスジェンダーではないので、安易に非難してはいけない問題です!
男性から女性へのトランスジェンダーを女性として競技に参加させるのはやはりちょっとおかしいと思う。スポーツをするのは自由だが、他の女性と同一に扱うのはやはり不公平なのではないか。すべての競技団体は男から女へのトランスジェンダーカテゴリーを新たに設ける時期に来ていると思うが…
— TAC (@TAC60748384) August 2, 2024
イマネ・ケリフ選手のように、女性として出場したにも関わらず、「DNA的には男性だ」という批判的なコメントが寄せられることはとても悲しいことです。
一括りに「トランスジェンダー」とまとめるのもまた議論するべき問題かもしれませんが、
性別問題でも多様性が広まってきている昨今、新たなカテゴリーを新設する時期が近付いているのかもしれません。
まとめ:イマネ・ケリフの海外の反応まとめ!トランスジェンダーのカテゴリーを作るべき?
今回は、性分化疾患を持つイマネ・ケリフ選手に対する海外の反応をご紹介しました。
オリンピックに限らず、多くの可能性ある選手の芽をつぶさないためにも、今後の競技団体の枠の在り方を見つめなおす必要がありそうですね。
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